沖縄は完全なる車社会です。
沖縄生まれの方も、移住してきた方も車を持っていないと日常生活が非常に不便です。
そんなクルマ社会の沖縄では、乗用車系はもちろんですが、軽トラが非常に人気です。
軽トラは実用性もあり、様々なシーンで役に立つ車です。
「中古車を探し始めたとこ」
「もう目星は付けてて、購入するかどうか迷っている」
「軽トラ欲しいけど中古が高いな」
というお悩みの方のために今回は、
- 沖縄の中古車事情
- 中古車の履歴
- 軽トラを買うならコレ
について現役の車屋である私の実体験、意見も含めて解説していきます。
今乗っている車をどうぢようかと考えている人はこちらがオススメです!
最後まで読んで頂ければ、ベストな中古車、軽トラを見つけることが出来るかもしれませんよ♪
沖縄の中古車事情
沖縄の中古車価格は内地に比べて少し高めです。
内地から沖縄に移住されているお客さんからもよく言われます。
なぜ高いのかをご説明していきます。
輸送費
沖縄の中古車が高い一番の理由は、内地で中古車を仕入れた場合に、輸送費がかかってしまうことです。
全国の相場価格 + 輸送費 = 沖縄の中古車価格
といった感じで輸送費がかかる分を販売価格にプラスしているのが沖縄での中古車価格が高い理由の一つです。
もちろん沖縄で使用されていた車を中古車として仕入れする場合も多々あります。
それでも高くつく内地の中古車を仕入れないといけない理由があるのです。
サビドメ
沖縄の車はサビが多いです。
沖縄の中古車販売店には内地から持ってきた中古車が多く並べられています。
内地から中古車を仕入れする理由はサビが少ないからです。
例えば新車から同じ年数使用した場合、沖縄と内地の中古車のサビの度合いには雲泥の差が生まれます。
比較すると一番わかりやすいのが、外装・下廻り・エンジンルーム等です。
誰が見てもすぐわかってしまう程の差が生まれてしまうのです。
サビてしまわないようサビ対策として、沖縄ではサビドメがあります。
沖縄は島で塩害がひどい地域なので、車にサビドメは必須になります。
サビドメをしないと、飛び石で出来たキズや、線キズ等からたちまちサビが出てきて進行していきます。
なので先ほどの沖縄の中古車価格にさらにこのサビドメ代を足す形になるので、
全国の相場価格 + 輸送費 (+サビドメ代) = 沖縄での中古車価格
となります。
サビドメを( )でくくっているのは、強制ではなく任意での施工になるので、人によるといった所です。
私もこれまでに多くの車を見て仕入れ、査定等してきましたが、個人的にはサビドメは絶対にした方がいいと思います。
サビドメをしない車の末路も沢山見て来たので・・・
整備
「整備は沖縄も内地も変わらないでしょ?」
とお考えのあなたへ、実は沖縄の中古車は整備も高くついてしまうのです。
もちろん全ての中古車の整備費用が高い訳ではなく、先ほどのサビドメの方にも書きましたが、サビドメ施工していない車が高くつくという話になります。
沖縄でサビドメ施工していない車とは、
- 新車からサビドメ施工せずに使用していた車
- 内地から仕入れしてサビドメ施工せずに使用していた車
- 内地で乗っていた車を持ってきてサビドメ施工せずに使用していた車
以上のような車が様々な経緯で中古車としてお店に並べられ、販売される時に少しだけ手間と整備費用がかかってしまうのです。
具体的にどういう部分で整備の費用がかかるかというと、
- エンジン廻りのボルト類のサビ
- エンジン水廻りのサビ
- マフラーがサビによる穴、腐食
- 足廻りの部品がサビで腐食
- シャーシの腐食
- ブレーキなどのパイプ類のサビ
他にも様々ありますが、サビが整備費用がかかる主な原因となっています。
全国の相場価格 + 輸送費 (+サビドメ代) + サビた部品 = 沖縄での中古車価格
サビドメ施工していない車だとこのような状況になってしまう可能性が高くなってしまうという話です。
鈑金
沖縄で中古車を購入する場合、外装のサビの度合いによっては鈑金塗装しないといけない中古車もあります。
大きくて目立つキズやヘコミのある中古車は当然お店側が直して展示しています。
基本的に中古車はある程度展示できる状態にしてから展示場に並べるところが多いです。
大きなキズやヘコミがある状態で展示してしまうと、いくらキレイに直しますよと言ってもお客さんが引いてしまう事が多いです。
沖縄の場合、小さな点サビからでも中で進行する通称「ミミズ」という類のサビがあり、沖縄ではよく見るサビで一番厄介なサビです。
パッと見は、同業者でも中々気づくことは至難のサビです。
点サビからうねうねとミミズのように塗装の中で進行しているサビです。
うねうねの部分に対して、足が出てるという表現もします。
ミミズを放って置くと、サビが膨らんでいずれ塗装が破れてサビが表に出てしまいます。
なのでこのミミズサビがある場合は鈑金塗装しなくてはなりません。
このように輸送費を始め、サビドメ・鈑金・整備等のサビに関する内容のものが内地の中古車と沖縄の中古車の間に費用としての差を生んでいるのです。
この差が沖縄の中古車は内地の中古車よりも価格が高いと言われる所以(ゆえん)です。
中古車の履歴
中古車にはワンオーナーという、新車から今まで1人のオーナーしか乗っていないという意味の単語があります。
中古車業界でワンオーナーは、セールスポイントとしてお客さんにも説明します。
しかし、ワンオーナーの中古車は割合的には少ないです。
大抵は2人以上のオーナーが過去にその車に乗っていたという状況が多いです。
展示されている車の履歴、気になりませんか?
履歴にまつわる話を以下に説明していきます。
状態
先の鈑金の所で少し触れましたが、仕入れたの中古車(キズやヘコミがそのままの状態)を展示した場合、その時点で引いてしまって離れてしまう事が多いという説明をしました。
このようなケースは内装にも当てはまります。
例えば、
- シートもシミだらけ
- 天張りはヤニまみれ
- ハンドルは手あかまみれ
- カーペットも汚れて毛羽立っている
このようなありのままの状態の車を先に見てしまった場合、いくら「キレイにしますよー」と言われてもその車を買おうとは思わないですよね?
最初の汚さのインパクトが強すぎて、買う気になれないと思います。
人とは不思議なもので、初めの劣悪な状態を見ていなければ、その車が現状キレイな状態であれば購入してしまうのものなんです。
「この車って元々キレイだったんですか?」
このような質問をしたことがある、よくする方には大変失礼かもしれませんが、愚問ですね。
当然ですが大抵の車屋さんはこう答えます。
販売員「仕入れた時点ですごくキレイな状態でした」
お客さん「そうなんですね~」
販売員「大切に乗られていたんだと思います」
お客さん「やっぱそうですよね、すごくキレイですもんね」
チャンチャン♪
この記事を読んで頂いているあなたには、このような無駄なやり取りをせずに車の元の状態を知ることが出来る裏技を教えます。
出品票
元の状態を知る方法、それは出品票です。
「・・・なにそれ?」
出品票とは、オークション会場に出品される際の車の状態表になります。
出品票には、
- 車の基本情報(年式・距離・グレード等)
- 車の展開図
- 評価点
- 内外装の評価
- 特記事項(セールスポイント・不具合等)
などが記載されています。
大抵の中古車屋さんは、業者専用のオークションからの仕入れがほとんどです。
この出品票を見せてもらえれば元の状態はもちろん細かな情報までゲットできます。
元の状態をどうしても知りたい人は是非聞いてみてください。
ただし、お店によっては見せてくれない所もあるかもしれないので、無理には聞かないでください。
元の状態が本当に劣悪な状態の車であれば、お店側は見せてくれないと思います。
その場合のお店側の返答パターンは、
「お客さんからの下取り(買取)なので出品票はないんですよー」
です。
販売員の雰囲気、会話の流れ、その場の空気等の材料をあなた自身で整理してご判断ください。
ちなみに沖縄で現役の車屋である私が、もし出品票見せてくださいと言われたらお客さんに対して少し警戒しますね。
裏技と紹介していますが、車を疑っているような目で聞かないように注意してください。
正直な話、ぐいぐい値引き交渉する、すごく細かく内容を確認する、新車じゃないのに本当に小さい傷まで気にするなどのお客さんには、こちらも見切りつけてしまいます。
あくまで確認という名目と、良い雰囲気で聞いてください。
そうすればお互いに嫌な思いもせず、双方納得のいく商談にしていけます。
お店に並べられている中古車って大体キレイですが、元は劣悪な状態だったという車も中にはあるというお話です。
内外装
「気になる車の元の状態を知ることができたし、気に入ったから契約書へのサインしよう」
ちょっと待ってください!
元の状態はわかりましたが、現在の状態はしっかりと目で鼻で乗って触って確認しましたか?
履歴の話からは少しだけ脱線しますが、購入前のアドバイスを説明しておきます。
販売員さんは、あなたが車を見てる姿を見ています。
意味が分かりますか?
つまり、販売員さんは車を見て納得してサインをして頂いたという認識なのです。
何が言いたいかというと、契約書へサインをし、整備も納車準備も終えて、いざ車を受け取るという日に、
「こんな所にヘコミあったっけ?」
「ホイールにこんなキズあったっけ?」
「シートにタバコの焦げ跡あったっけ?」
「こんな臭いだったっけ?」
などなど、あれ?と思った時にはもう遅いのです。
なので、サインをする前に現車をよく見ましょう。
見切れなければ、販売員さんに聞きましょう。
その時の聞き方は、
「外装のキズ、ヘコミはありますか?」
「サビはありますか?」
「タバコ、ペットの臭いありますか?」
「直す所と直さない所を教えてください」
最後の質問が重要な質問です。
中古車は新車ではないので、ある程度の小さいキズ、ヘコミ、臭い等の経年劣化は必ずあります。
なのでそれらをしっかり伝えてくれる、説明してくれるお店や販売の方から中古車を購入した方が良いです。
実は!!
そんな良質なお店・中古車が集まるイベントがあるんです!
沖縄で大人気の中古車フェアがそれにあたります!
是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか♪
このように欲しい車の過去の履歴から現在の状態までをしっかりと知りたい場合には、元の状態が分かる出品票、現在の状態をしっかりと伝えてくれる販売員が必要となります。
沖縄での軽トラの価値
沖縄の中古車価格事情も分かり、中古車の見方も分かったところで、本題である軽トラについてご説明していきます。
沖縄での軽自動車の価値及び価格は非常に高いです。
中でも軽トラの価値・需要は群を抜いて高いです。
軽トラは農業、家畜、海(釣り、マリンジェット・小型ボートの牽引)、作業(工事、草刈り)、大きい荷物の運搬等、活躍の場が広いので重宝されています。
各家庭に1台あると非常に便利なのが軽トラなのです。
中古の軽トラ
各家庭に1台あったら便利な軽トラ、メインの車は別にあるし中古で安いの探そうという方が非常に多いです。
「40~50万円の4WDのマニュアルの軽トラないね?」
このセリフを言うお客さんが一番多いです。
このセリフの車の詳細(私自身の経験上の統計です)が以下になります。
4WD・5MT・エアコン・パワステ付きで50万以内でサビもなく、年式は7年落ち以内、距離も8万キロ以下で、外装も内装もキレイな状態の軽トラのことです。
はっきり言ってこの内容で50万円以内の軽トラは沖縄県内には1台もありません。
沖縄で50万円の予算で軽トラを探すとなると、10年以上落ちで約10万キロ以上の走行のものしかありません。
ただしメーカーを問わなければ50万円以内で買える軽トラもあります。
ちなみに少し前までは30~40万で探している方が多かったです。
多分口コミやネットで情報が広まったんだと思いますが、30~40万円だと15~20年落ちがざらなので、今その予算で探しに来る方はほとんどいません。
各メーカーの軽トラ
基本的には、スバル、ホンダ、三菱系の軽トラは中古車価格が安いです。
この3社の軽トラでしたら予算内で買えるかもしれません。
逆にスズキ、ダイハツは軽トラの中古車価格が高めです。
先の3社の軽トラと比較すると、中古車価格で10~15万円ほどの差が出ます。
基本的に軽自動車の売り上げ台数は昔からスズキ、ダイハツが圧倒的に多く、最近ホンダがNBOXなどのNシリーズで売り上げを伸ばしてきているという状況です。
なのでスズキ、ダイハツの中古車価格が高めの理由は、昔からのイメージ、つまりはブランド化してるというところです。
ブランド化している為、中古車価格が高めという訳です。
軽トラの価値
中古車の価値は基本的に軽・乗用問わず10年落ち、10万キロが1つの基準となります。
この基準とは中古車価格のボーダーラインになり、この基準を満たしてしまうと価格が一気に落ちます。
軽トラにおいて、スバル、ホンダ、三菱の3社がこの基準を満たすと、一気に価格が下落します。
反対にスズキ、ダイハツの軽トラはこの基準を満たしても3社に比べるとそこまで下落はしません。
沖縄では、内地からの移住者が毎年どんどん増えてきています。
その中に、脱サラで農業を始めるという方が結構いらっしゃいます。
そのような毎年増える移住者の軽トラ購入もあり、沖縄での軽トラの中古相場も年々上がってきているのです。
軽トラの価格
年々中古価格が上がっている軽トラですが、それぞれの具体的な価格を例を挙げて簡単にご説明していきます。
スズキのキャリィトラック(4WD・5MT・エアコンパワステ付き)で例を挙げると、
- 新車価格 約 115万円(付属品・サビドメ・諸費用込み)
- 未使用車 約 98万円( 〃 )
- 新古車 約 89万円 ( 〃 、1年落ち、約7,000km走行)
- 中古車 約 50万円 ( 〃 、10年落ち、 90,000km走行)
こんな感じになります。
軽トラを買うなら、未使用車や1年落ちの新古車などがおススメです。
中古車は「うーん・・・」となりますよね?
10年使っても新車の半値するなら倍の額を出して、未使用車を買った方が断然お得です。
以上のように沖縄では軽トラは価値が高く、値崩れもしにくい商品となっています。
軽トラ買うならコレ
軽トラを買うなら、先ほども言いましたが、未使用車・新古車がおススメです。
別に中古を買うのがいけないというお話ではありません。
例えば、
- 外装のキズやヘコミも気にしない、サビもある程度は仕方ない、年式は気にしない、距離走っていてもエンジンミッション等の機関系が生きているならそれでよし
- 予算は絶対に50万円以下で、ローンやリースは組みたくないという方
- 距離もそんなに乗らない
- メーカーも気にしない
上記のような方には中古車の軽トラがおススメです。
中古車販売店が中古車を売るときの決まり文句ですが、
「中古車はあくまでも中古なので、いつどうなるかは乗ってみないと分からない部分はあります」
これだけ聞くと「え~っ」となりますが、ちゃんとフォローも入れますよ。
「お渡しの時は現状の不具合や、換えなければいけない消耗品等はすべて交換・整備してお渡しします」と。
「ただ中古なので~」という流れでの説明になります。
どれを選ぶかはあなた次第ですが、私は未使用車・新古車を強くお勧めいたしします。
メーカーならスズキ、ダイハツです。
先ほどの軽トラの価格の方でもほぼ分かってしまっていますが、いかに未使用・新古車がお買い得かシミュレーションをしてみましょう。
中古の軽トラが10年乗って50万円で売られているとします。
これとは別に未使用車を購入して、10年後に買取査定に出すと仮定します。
乗り出し98万円の未使用車を購入して、10年乗り、走行8万キロで外装やサビも少なくそこそこキレイな状態で査定した場合、30万円で売れるかもしれません。
そうすると実質68万円で10年間乗れたことになります。
対して中古車は乗り出し50万円で乗れますが、10年乗れるかわからない、いつ壊れるかわからない、サビの進行等を考えながら、ストレスを抱えながら乗らなければいけません。
整理すると、
- 98万円の未使用車を購入した場合(10年後に売りに出すと仮定します)、実質68万円でストレスフリーで10年乗れます。
- 50万円の中古車を購入した場合、いる壊れるかわからない不安とリスクを抱えながら何年乗れるかも分かりません。
※両方ともにオイル交換や定期点検はしっかり行うものとします。
答えは一目瞭然ですが、あなたならどちらを選びますか?
沖縄で軽トラの購入をご検討中の方へ、40~50万円の中古車を購入する前に未使用・新古車も視野に入れて考えてみてください。
初期投資は少し多めにかかりまが、長い目で見れば絶対に損はしません。
これは断言できます。
どんな中古車が良いかがわかった所で、今乗っている車を査定してみましょう!
おわりに
今回は沖縄の中古車事情、軽トラの事情について書きましたがいかがでしたか?
この記事を参考に、あなたの状況に合った軽トラを探していきましょう♪